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院長紹介
院長

はしもと吹田アニマルクリニック院長 橋本 雄大(はしもと ゆうた)
ごあいさつ
はしもと吹田アニマルクリニック院長の橋本雄大です。小さな頃から動物が好きで、イルカに人工ひれをつけて泳がせる獣医師の姿に憧れたことが、私の原点です。呼吸器科や腫瘍科を得意とし、皮膚科専門医のもとで学んだ経験を活かし、幅広い分野で診療をおこなっています。
診療で大切にしているのは「結果にこだわること」と「動物の痛みや苦しみを理解して取り除くこと」です。せき(咳)やかゆみといった症状の背後にある原因を突き止め、対症療法で終わらせず根本から治すことを目指しています。基本的な「問診・視診・触診・聴診」を大切にしつつ、必要に応じて高度な検査や手術にも対応しています。
地域に根ざした獣医療を通じて、飼い主さまと大切な家族であるペットに安心を届けたいと思っています。どんな小さな不安でも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
経歴
- 東京農工大学共同獣医学科 卒業
- 国際協力機構(JICA)入構
- 沖縄県内動物病院 勤務
- 琉球大学大学院医学部 客員研修員
- 大阪府内動物病院 勤務
- 福島中央動物病院 分院長
- 呼吸器専門治療にも従事
資格・所属学会
- 日本獣医がん学会
- 日本獣医循環器学会
ドクターズインタビュー
ペットや飼い主さまの
痛みや苦しみを理解し、
結果にこだわる医療を
吹田市で開業までの道のり

獣医師を目指したきっかけは?

小さい頃から動物が大好きで、生き物に関わる仕事を将来やりたいと思っていました。決定的なきっかけは、テレビで見た動物園や水族館の獣医師の番組です。尾びれを怪我したイルカのために人工のひれを作り、再び泳げるようにする姿に心を動かされました。
また、事故で片足を失った叔父の存在も大きな影響でした。「人と同じように動物にも義肢を作って支援できる職業がある」と知ったことで、獣医学科を目指す決意を固めました。

ご専門はどの分野ですか?

哺乳類全般を診ていますが、特に呼吸器科と腫瘍科を得意としています。東京農業大学で6年間学んだ後、国際協力に興味を持ちJICAに入職し、タンザニアでの勤務が予定されていました。しかし新型コロナの影響で帰国を余儀なくされ、待機期間が延びに延びて最終的には戻ることができませんでした。その間、知人の紹介で沖縄の動物病院に勤めることになり、そこが獣医師としての臨床の道のスタートです。

大阪に来られた経緯についてお聞かせください

沖縄では医療技術や検査機器の限界を感じることが多く、「この手術は沖縄ではできません」「この治療に対応できる先生がいません」と飼い主さまに伝えなければならないこともありました。その度に自分の無力さを痛感し、もっと知識と技術を磨くために都会の病院へ移ることを決めました。大阪の大きな動物病院に入職することができ勤務をしながらいろいろ勉強をさせていただきました。その中で地域に魅力を感じ、開業するなら大阪でと考えるようになり、吹田市での病院承継の機会を得て、このクリニックを始めることになりました。

今後のご展望はありますか?

以前在籍していた病院グループは全国展開を進めていましたが、私は病院を大きくすることよりも、地域に密着した医療を大切にしたいと思っています。吹田から北摂地域で、より良い医療をご提供できる病院や人材を育て、地域の皆さまに貢献していきたいと考えています。
診療スタイルと大切にしていること

治療において
大切にされていることはありますか

最も大切にしているのは「結果にこだわること」です。病名をしっかり突き止め、病気を治すという結果を出すこと。そしてもうひとつは、動物の痛みや苦しみを理解し、それを取り除いてあげることです。動物のしんどさを和らげ、飼い主さまに安心と喜びを届けることを理想としています。
「問診・視診・聴診・触診」を大切に基本に、忠実な診療へのだわり

なぜ基本的な診察を重視されるのですか?

検査機器が進歩している今だからこそ、基本に忠実な診察を大切にしています。
問診・聴診・視診・
触診は診断の
出発点であり、
欠かせません。
例えば「せき(咳)」と一言でいっても種類はさまざまで、診断や治療は大きく変わります。実際に、他院で長く腸炎と診断されていた子が、触診だけで腸内異物と分かったこともあります。CTや内視鏡などの検査も必要な場合はありますが、まずは基本を丁寧におこなうことが重要だと考えています。

診察の際に見逃さないポイントがあれば教えてください

飼い主さまがどのような思いで来院されたのかを理解することを重視しています。主訴を正確に聞き取り、症状をくわしく把握することが正しい診断につながります。
例えばせき(咳)の場合、「ケーケー」という音なのか、別のせき(咳)なのかによって診断が大きく変わります。せき(咳)止めを出すだけで終わらせるのか、種類を分析して病気を特定するのかで、治療の精度はまったく異なります。

手術や麻酔についてはのこだわっていることはありますか?

腫瘍手術を含めて積極的におこなっていますが、特に重視しているのは麻酔管理です。年齢や全身状態に合わせて種類や量を調整し、ブロック麻酔を組み合わせて痛みをしっかり取り除きます。獣医療の麻酔はまだ発展途上で、「眠らせれば大丈夫」という考え方が残っています。しかし実際には眠っていても痛みを感じています。そのため「安全で痛みを残さない麻酔」を徹底しています。そのため、麻酔の国内外の最新の情報は、常にアップデートしてしっかりと勉強するようにしています。より安全で苦痛の少ない治療を提供できるよう努めています。
万が一大きな病気が見つかった場合、より高度な医療が必要になったときには、信頼のできる高度医療機関へご紹介をしています。紹介先の先生のところには必ず自分も行くようにし、一緒に手術を立ち合わせていただくこともあります。責任を持って紹介先の先生に託すようにしています。

健康診断へのこだわりについて先生のお考えを教えてください

血液検査だけではわからないことが多くあります。実際に「1ヶ月前に健康診断を受けたのに、がんが見つかった」というケースの多くは、血液検査だけで終わっていたからです。
まずは問診・聴診・視診・触診を基本とし、必要に応じて血液検査やレントゲン、エコーを組み合わせています。健康診断の大きな意義は「元気なときの基準値を知っておくこと」です。正常範囲にあっても、前回より上昇していれば異常のサインかもしれません。
当院では春と秋に健康診断キャンペーンをおこない、比較的お安い金額で受けていただけるようにしています。地域の方によりペットの健康を考えていただける期間になればと思っています。
症状別外来と専門診療

症状別外来のメリットを教えてください

症状別外来を設けた理由は二つあります。
- 飼い主さまが「どの科に行けばいいのか」と迷う悩みを解消するため
- 原因を突き止める診療をおこなうため
動物は痛みや苦しみを言葉で伝えられません。そのため症状から原因を追求し、対症療法にとどまらず根本から治すことを目指しています。

かゆみ外来についても教えてください

日本には皮膚科専門医が非常に少なく、以前勤めていた病院に専門医がいたことで学びを得ました。その経験を活かし、かゆみを原因から調べる診療に力を入れています。
「とりあえずの治療」ではなく、根本原因を追求する方向性を持つことで診療に深みが出ると考えています。かゆみやせき(咳)は飼い主さまから見ても辛い症状であり、悪化すると眠れなかったり皮膚がボロボロになったりしてしまうため、必ず治してあげたいという強い思いで取り組んでいます。

セカンドオピニオンはどんなときにした方が良いですか?

どんなケースでもセカンドオピニオンは有効です。
他院からの飼い主さまには、私自身は、当院の飼い主さまに他の先生の意見を聞くことをおすすめしています。
特に「原因がわからない」「対症療法で改善しない」「薬をやめると再発する」といったケースでは、別の視点からの診断が役立ちます。手術や麻酔の判断も先生によって異なるため、別の意見を聞くことは大切です。
飼い主さまへのメッセージをお願いします
「必要なことは必要、不要なことは不要」と率直に伝えることを大切にしています。同時に、検査や治療のハードルを下げ、気軽に相談していただける存在でありたいと考えています。
診断のために麻酔や鎮静が必要な場合もありますが、その不安をできる限り減らす努力を続けています。
飼い主さまの考え方はそれぞれ異なって当然ですが、「動物がしんどい・苦しい状態は必ず取り除いてあげたい」という思いを軸に診療を続けています。ペットの健康でお悩みのことは、どんなことでも安心してご相談ください。
