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- 年齢別に見る”悪性腫瘍(がん)”のリスクと予防方法
がんになる主な原因
肥満と運動不足
がんの大きな原因のひとつが、運動不足からくる肥満です。
人と同じように、ペットも運動不足や食生活の乱れで肥満になり、筋肉が衰えて内臓に負担がかかります。その結果、慢性的な肥満状態からがんを発症してしまうケースがあります。
犬の場合は、食事の前に散歩や運動を取り入れ、水を与えてから食事をさせることが予防に効果的です。
ただし、小型犬や高齢犬は熱中症のリスクがあるため、気温や環境に注意しましょう。
ストレス
犬や猫は、飼い主との関係性や生活環境から強い影響を受ける動物です。外で過ごす犬は「飼い主と離れている」だけでストレスになることがあります。室内で過ごす犬も、遊ぶ場所が限られていたり、留守番が長くなったりするとストレスを感じ、退屈そのものがストレスになることもあります。
ストレスのサイン
- しっぽを追いかけ続ける
- 触ろうとすると吠える、かみつく
- 足をしきりに舐める
- 毛をかみ切ろうとする
- しっぽを噛む
こうした行動は「もっと遊んでほしい」「時間を共有したい」というサインかもしれません。ストレスは病気やがんの大きな要因になりますので、早めに気づいてあげることが大切です。
食生活
近年のペットフードは改良されていますが、酸化防止剤などの添加物が含まれる場合もあります。
- AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をクリアしたもの
- 賞味期限が短め(6か月以内)のフード
これらのフードを選ぶと安心です。また、人間の食べ物をそのまま与えると肥満や有害成分による健康被害のリスクがありますので注意しましょう。
遺伝
大型犬や特定の純血種は、遺伝的にがんにかかりやすい傾向があります。特にラブラドール・レトリバーやゴールデン・レトリーバーはリスクが高いとされます。親犬ががんで亡くなった場合、その子犬も発症する可能性があるため、普段から注意深く観察することが大切です。
年齢別の腫瘍リスクと予防
若齢期(1〜3歳)
比較的少なく、皮膚の良性腫瘍(組織球腫・乳頭腫など)が中心です。
予防ポイント
- 早くから適切な食事と運動の習慣をつける
- 定期的な健康診断を受ける習慣を持たせる
- 免疫力を高める生活環境づくり
- 避妊・去勢手術を検討(特に雌犬の乳腺腫瘍予防に有効)
成犬期(4〜6歳)
徐々に悪性腫瘍の発生が増えてきます。脂肪腫や肥満細胞腫が見られることもあります。
予防ポイント
- 体重管理を徹底する
- 年1回以上の健康診断
- ご家庭での体のチェックを習慣化
- 運動と栄養バランスの維持
- ストレスの少ない環境づくり
中高齢期(7〜10歳)
がんの発生率が急激に上昇します。乳腺腫瘍、リンパ腫、皮膚や口腔内の腫瘍が多くなります。
予防ポイント
- 半年に1回の健康診断(血液・レントゲンを含む)
- 毎月の体チェック(首・脇・お腹・乳腺まわり・足の付け根)
- シニア用フードへの切り替え
- 無理のない範囲での運動
- 口腔ケア(歯みがき・歯石除去)
高齢期(11歳以上)
犬種によっては半数ががんになるとも言われています。
予防ポイント
- 3〜4か月に1回の健康診断
- 詳細な検査(超音波・CT)の検討
- 毎週の体チェック
- 高齢に合った食事管理
- 環境を整え、快適に過ごせる工夫(温度・寝床など)
- 些細な変化を見逃さない観察
腫瘍を早期に見つけるために
ご家庭でのチェック
スキンシップを兼ねて次の部位を重点的に触ってみてください。
- 首や脇の下
- お腹や乳腺まわり
- 足の付け根
定期的な健康診断をうけましょう
- 特に7歳以上では、年に1〜2回の検診がおすすめです。
- 定期健診での早期発見が、治療の成功率を大きく高めます。
生活習慣の見直し
- 栄養バランスの取れた食事
- 適度な運動
- ストレスの少ない環境づくり
当院では年齢や体質に合わせた健康管理のアドバイスをおこなっています
ペットのがんは「肥満・ストレス・食生活・遺伝」などさまざまな要因が関わっていますが、飼い主さまの日々の観察と生活習慣の工夫で予防や早期発見が可能です。
「がん予防について知りたい」「小さなしこりが心配」など、どんなことでもお気軽にはしもと吹田アニマルクリニックまでご相談ください。
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