症例紹介

犬猫の腎不全治療における腹膜透析

2026.07.14

腎不全と従来治療の限界

犬や猫の腎不全は、大きく「急性腎障害(AKI)」と「慢性腎臓病(CKD)」に分けられます。

腎不全の治療では、輸液療法、いわゆる点滴が基本となります。しかし、腎臓のろ過機能が大きく低下している場合、点滴だけでは尿素窒素(BUN)やクレアチニン(Cre)といった腎臓の数値が十分に改善しないことがあります。

このような重度の腎不全では、従来の輸液療法だけでは救命が難しいケースもあり、腎臓の働きを補う「腎代替療法(RRT)」が必要になる場合があります。

腹膜透析とは

腹膜透析とは、お腹の中に透析液を入れ、腹膜を透過膜として利用する治療法です。

腹膜を介して、体内に蓄積した尿毒素などの老廃物を取り除き、余分な水分を排出することを目的としています。

血液透析と比較すると、循環への負担が少ないとされており、体重の小さな犬猫や、全身状態が不安定な動物にも検討しやすい治療法です。

動物医療においても、特に急性腎不全など重度の腎障害に対する救命手段の一つとして、近年注目されている腎代替療法です。

当院での腹膜透析の取り組み

はしもと吹田アニマルクリニックでは、点滴治療だけでは腎臓の数値が改善しなかった急性腎障害の犬猫に対して、腹膜透析を導入しています。

実際に、腹膜透析によって救命につながった症例もあり、従来の治療では救命が難しいと考えられていたケースに対しても、新たな治療の選択肢をご提案できる体制を整えています。

腹膜透析に対応できる一般動物病院はまだ限られており、当院の特色の一つです。

腹膜透析の適応について

腹膜透析は、すべての腎不全に行う治療ではありません。
動物の状態や検査結果を総合的に判断し、必要と考えられる場合に検討します。

主に、以下のようなケースで適応となることがあります。

  • 腎不全に対して輸液療法を行っても改善が乏しい場合
  • BUNやクレアチニンなどの腎臓の数値が著しく高い場合
  • 食欲廃絶、嘔吐、神経症状など尿毒症の症状が見られる場合
  • 体重が小さい、循環状態が不安定などの理由で血液透析が難しい場合

腹膜透析の限界とリスク

腹膜透析は、腎不全に対する有効な治療選択肢の一つですが、万能な治療ではありません。

慢性腎臓病の長期管理を目的とした治療には適さない場合があり、腹膜炎などの感染リスクを伴います。また、透析中は入院下での継続的な管理が必要です。

そのため、治療を行う際には、動物の状態、腎臓の数値、全身状態、今後の見通しなどを踏まえ、飼い主さまと十分にご相談しながら判断していきます。

飼い主さまへ

飼い主さまへ

腎不全は、進行すると命に関わることがある病気です。
しかし、従来の点滴治療だけでは改善が難しい場合でも、腹膜透析という腎代替療法を検討することで、救命につながる可能性があります。

当院では、点滴治療や薬物療法に加え、必要に応じて腹膜透析を取り入れることで、腎不全治療の選択肢を広げ、より多くの犬猫の命を守ることを目指しています。

腎臓病や泌尿器疾患について詳しくは、以下のページもご覧ください。

腎臓病・泌尿器科についてはこちら

クリニック情報

はしもと吹田アニマルクリニック
院長 橋本雄大

大阪府吹田市山田東2-10-3

駐車場有り(10台分)
吹田市・豊中市・摂津市・守口市・茨木市、
大阪市内からも車でのアクセス良好です!

  • 関西発の症状別外来(かゆみ外来、せき外来)設置
  • 得意分野: 皮膚科、呼吸器科、麻酔科、腫瘍科、外科
  • 吹田市で最も愛される病院を目指すべく、日々研鑽に努めてます
お電話06-6875-5735
順番予約
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(レントゲンおよび超音波検査等)
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