
猫の尿管結石は、尿管に結石が詰まることで尿の流れが妨げられ、腎臓に大きな負担がかかる病気です。
尿管閉塞を起こすと腎機能が急速に低下する可能性があり、状態によっては早急な治療が必要になります。
軽度の場合は内科治療で経過を見ることもありますが、猫の尿管は非常に細いため、結石の大きさや閉塞の状態によっては外科的な処置が必要になるケースも少なくありません。
この記事では、猫の尿管結石に対して行われる主な治療方法について、内科治療から外科治療まで詳しく解説します。
尿管結石の治療
猫の尿管結石の治療方法は、結石の大きさや位置、尿管の状態、腎臓への影響などを総合的に判断して選択します。
主な治療方法には、以下のようなものがあります。
・内科治療
・SUBシステム(皮下尿管バイパス)
・尿管ステント
・尿管膀胱新吻合術
尿管閉塞の程度や腎機能の状態によって適した治療法は異なります。
そのため、画像検査や血液検査の結果をもとに、その猫にとって最適な治療方法を検討することが大切です。
内科的治療
軽度の尿管閉塞や部分的な閉塞の場合には、状態に応じて以下のような保存的治療を行うことがあります。
・点滴による水分管理
・痛みを和らげる治療
・尿の流れを促す治療
・経過観察
ただし、猫の尿管は直径約0.4mm程度と非常に細く、シャープペンの芯よりも細い構造をしています。
そのため、小さな結石でも詰まりを起こしやすく、自然に排出されるケースは多くありません。
報告では、猫の尿管閉塞が保存的治療のみで改善する割合は約8〜13%程度とされており、多くの場合は尿の流れを確保するためにSUBシステムや尿管ステントなどの外科的治療が検討されます。
治療方法は、閉塞の程度や腎臓の状態、猫の全身状態を総合的に判断して決定します。
SUBシステム(皮下尿管バイパス)
SUBシステム(Subcutaneous Ureteral Bypass)は、閉塞した尿管を介さずに、腎臓から膀胱まで新たな尿の通り道を作る治療法です。
尿管そのものを治療・修復するのではなく、腎臓と膀胱を専用のカテーテル(チューブ)でつなぐことで、尿を安全に排出できるようにします。
SUBシステムによる尿の流れは、以下のようになります。
腎臓
↓
専用チューブ
↓
皮下ポート
↓
専用チューブ
↓
膀胱
尿管閉塞によって尿が流れにくくなった場合でも、腎臓で作られた尿を膀胱へ送ることができるため、腎機能の維持を目的として行われます。
メリット
SUBシステムには、以下のようなメリットがあります。
・尿管を使用しないため、再閉塞のリスクを抑えやすい
・長期的な尿路管理が期待できる
・皮下ポートから専用の洗浄やメンテナンスが行える
猫の尿管は非常に細いため、尿管そのものを利用する従来の治療では、術後に再び閉塞を起こすことがあります。
SUBシステムでは、閉塞した尿管を介さずに腎臓と膀胱を直接つなぐため、尿管結石による再閉塞のリスクを低減し、長期的に尿の流れを維持することを目的としています。
尿管ステント
尿管ステントは、閉塞した尿管の内部に細いチューブを留置し、尿の通り道を確保する治療法です。
結石などによって狭くなった尿管にステントを設置することで、腎臓で作られた尿を膀胱まで流せるようにします。
尿管ステントによる尿の流れは、以下のようになります。
腎臓
↓
尿管ステント
↓
膀胱
猫の尿管閉塞に対する治療方法の一つとして広く用いられており、尿の流れを改善し、腎臓への負担を軽減することを目的として行われます。
尿管膀胱新吻合術
尿管膀胱新吻合術は、問題がある尿管の一部を処置し、尿管を膀胱へ新しくつなぎ直す手術です。
尿管の膀胱側に狭窄や損傷がある場合や、結石の位置によって尿管の一部を切除する必要がある場合などに検討されます。
尿の流れを正常に戻すことを目的として行われ、猫の尿管閉塞に対する外科的治療の一つです。
治療成績
近年では、猫の尿管閉塞に対する外科治療として、尿管ステントやSUBシステムの治療成績が報告されています。
・尿管ステント:生存率 約80〜90%
・SUBシステム:生存率 約85〜95%
これらの治療は、尿の流れを改善し、腎臓への負担を軽減することを目的として行われます。
ただし、すべての猫に同じ治療が適しているわけではありません。
・結石の位置や大きさ
・尿管の状態
・腎機能の変化
・全身状態
などを総合的に評価したうえで、その猫に適した治療方法を選択することが大切です。
当院で行なっている治療
当院では、猫の尿管閉塞に対して以下のような外科治療に対応しています。
・SUBシステム手術(皮下尿管バイパス)
・尿管ステント留置術
・尿管膀胱新吻合術
猫の尿管閉塞は、早期に状態を把握し、適切な治療を行うことで腎機能の維持や回復が期待できる可能性があります。
はしもと吹田アニマルクリニックでは、猫の尿管結石・尿管閉塞に対して、検査結果や腎臓の状態をもとに、その猫に適した治療方法をご提案しています。
大阪府・北摂地域(吹田市・豊中市・茨木市・摂津市・箕面市など)をはじめ、大阪市内で猫の尿管結石、水腎症、腎機能の低下などでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
クリニック情報
はしもと吹田アニマルクリニック
院長 橋本雄大
大阪府吹田市山田東2-10-3
駐車場有り(10台分)
吹田市・豊中市・摂津市・守口市・茨木市、
大阪市内からも車でのアクセス良好です!
- 関西発の症状別外来(かゆみ外来、せき外来、げり外来)設置
- 得意分野: 皮膚科、呼吸器科、麻酔科、腫瘍科、外科
- 吹田市で最も愛される病院を目指すべく、日々研鑽に努めてます
